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LANは、サーバー1台にクライアント5台で構成されている。
化粧品は、商品単品の容積マスターから、単品別の出荷数で出荷ケース数を算出し、手作業となる販売助成物などは、梱包してみなければケース数が確定しないので、手入力する。
床に穴を開けてLANコードを通し、システム稼働の際にはいろいろと不具合もあって、たいへんだったようである。
筆者が見学した感じでは、センター自体は建設以来10年が経過し、それほど目新しい設備もないが、同社岡山営業所における改善は、94年〜96年にかけて行われ、96年8月か報システムが現場に使いやすいものとしてカスタマイズされていた。
ともすれば、現場のニーズから離れて、SEが勝手に開発して使いにくいシステムが多いなかで、開発責任者のT常務の「現場重視」「顧客重視」が、あちこちに感じられた。
従来、バラバラだった化粧品と販売助成物が荷合わせされて、1口として出荷されることなどで15%削減できた。
荷札ラベル代の削減や、庫内作業がペーパーレスとなったため、その他の帳票代が削減され、システム運用のランニングコストが80%削減できた。
標準PD荷札ラベルで、協力運送会社は荷札が不要となった。
従来は、センターの出荷場に、協力運送会社が常駐の荷札貼付け要員を配置していたのが削減できた。
また運送会社ターミナルでの送り状入力・仕分け番号書きが不要となった。
合計で集荷コストが30%下がり、運賃引き下げで還元させた。
なお、今回のシステム導入にあたって、同社では、既存の協力運送会社4社に「システム化」に対する協力要請をした。
うち2社は情報システムをつないでEDI化する提案を了承して協力したが、残り2社は難色を示した。
その結果、システム化に協力した2社のシェアが高まった。
バーコードやデジタルピッキングの採用により、これまで毎月10件ほど発生していた未着・誤配などのクレームが、半分以下に減った。
通常、荷主企業のコスト削減は、協力会社にとって売上の減少を意味する。
それでも、改善プロジェクトを協力物流業者の立場から主導した田中常務は、「荷主には、『在庫は悪』という考え方に立って、倉庫保管料を抑制する方向になりつつある。
そこで今後は、倉庫保管料を中心にした経営は難しくなるので、情報システムや3PLで付加価値を付けていく必要がある」と言う。
そこで、荷主の先手を打って、今回のシステム再構築を提案したことが、成功の大きなポイントである。
K社の各地区流通センターは、倉庫・配送とも委託会社が異なっており、したがって各地区の輸配送システムも異なる。
K社では、他の9カ所の地区流通センターのうち、Sハウスが今回開発した同システムの特徴を活かせるような、特別積合せ便の比率が高いセンターについては順次、導入していく方針のようである。
既に、仙台地区流通センターでは導入が進められている。
Sハウスでは、今後の展望・課題として、次のようなことを考えている。
システム開発の際に、いつでも運送会社のコンピュータとつなげば、配送データ・運賃請求データなどを取り込んで、EDI化が可能なように織り込み済である。
チェーン店の要望で、納品書を廃止できなかった。
標準PD荷札ラベルのバーコードをスキャンすれば、ケースの内容はパソコン画面に呼び出せるので、チェーン店側にパソコン(発注用端末)が全店設置されれば、いつでも納品書の廃止が可能である。
現在は、中四国地区流通センター内だけのLANであるが、将来的には、全国の10カ所の地区流通センターに導入した時点で、全国をつないだWANのようにする。
既に、仙台センターに導入されている。
現在は、地域販社から受注データが送られてくるが、地区流通センターで受注機能を取り込んでいく。
協力運送会社は、特別積合せ便でK社チェーン店に配送している。
並売(K社もS社も扱うなど)の大チェーン店・GMS・CVS・ドラッグストア向けについても共同配送することで、さらに配送コストの低減が可能となる。
同社の今後の展開にとって、特筆すべきは「物流システム研究所の設立」である。
中堅倉庫業の同社が、なぜ大手企業に伍してシンクタンクを設立したのだろうか。
流通システム大賞の受賞と同時期に、3PLの事業化を目的とする社内分社である新組織「物流システム研究所(RILと略す)も設立した。
K大学を卒業後、アメリカに留学して経営学修士号(MBA)を持つT常務(所長を兼任)の発案で、社長も積極的に後押ししている。
アメリカの物流事情に詳しい常務にとっては、3PLの概念は目新しいものではなく、同社の新事業のコンセプトとして、RILや3PLを前面に出していこうという戦略のようである。
同社がRILを別組織として発足した狙いは、3PLに関するノウハウの蓄積と人材の育成である。
中堅倉庫業者Sハウスの名前では採用が難しい優秀な人材を、研究機関として獲得しようという考えもあり、現在は、常務の人脈でK大学と産学協同で運営をしている。
「ジャストインタイム物流、多頻度小口配送の進展、国際物流の活発化など、物流の分野では大きな構造変化が起こっている。
物流コストのコントロールや流通システムの再構築は、企業における重要な経営課題となりつつある。
こうしたなか、最近、3PLという物流分野のニューサービスに注目が集まっている。
3PLは、情報システムで物流管理手法を駆使し、お客様の立場で物流改善に向けての提案・コンサルティングを実施し、さらにはアウトソーシングまで責任持って実行することにより、ロジスティクス革新の実現を図る、物流分野の新業態である。
欧米における隆盛は言うまでもなく、わが国でも、1997年に閣議決定された『総合物流施策大綱』において、その重要性が明示され、今後のより一層の展開が期待されている。
このたび、Sハウスは、こうした3PLの実践に向け、倉庫事業者として80有余年培ったノウハウをもとに、新たに『物流システム研究所』を設立した。
今後は、顧客サービスの向上(消費者、エンドユーザの満足を含む)市場競争力の確保(物流コストのコントロールなど)社会的コストの低減(環境問題への積極的対応など)物流システム研究所は、物流専業者として80有余年にわたり培ったノウハウをベースに、サプライチェーンの全体最適化を目指した、ニュートラルな立場での物流設計の実施した「流通システム大賞」受賞など、実績あるシステムおよび標準化・ネットワーク化に重点をおいた物流情報化の推進お客様にとって最適なアウトソーサ(外注先)とのネットワーキングと、現場実務のマネジメントまでの一貫した受託を目的として、メーカー・卸売業・小売業などの荷主企業、倉庫・運送業などの物流企業、物流に関与するシステム・インテグレータ、さらには行政や諸団体、NPOなど、さまざまなお客様のロジスティクス革新を手伝う。
その業務内容はいコンサルティング 情報システムアウトソーシング 研究・教育の4分野である。
とくに、情報システムのなかで、電子メールまたはファクシミリにて、ロジスティクスに関するホットなニュースを無料でユーザーに届ける「サイバーメールサービス」は、ユニークなサービスとして注目される。
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